更年期障害とは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の減少によってあらわれるからだと心のさまざまなトラブルです。更年期を迎えたすべての女性にあらわれるわけではなく、更年期になっても何もあらわれない人、症状はあるけれど気にならない人、治療が必要なほど症状が強い人などさまざまです。更年期障害の症状で多いのは、ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)、発汗、動悸、息切れなどの自律神経失調症状です。

 

エストロゲンは、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンに反応して、卵巣から分泌されます。更年期になりエストロゲンが少なくなると、からだにエストロゲンが足りていないという指令が視床下部に伝わり、脳下垂体がエストロゲンを分泌させる性腺刺激ホルモンを大量に放出します。しかし、加齢による卵巣の老化によりエストロゲンを作ることができず、さらに性腺刺激ホルモンが放出されるという悪循環におちいります。

 

そのため、自律神経の中枢である視床下部が混乱し、自律神経のバランスもくずれ、自律神経が支配してる体温、呼吸などの働きが乱れ、のぼせや動悸などの血管運動系障害の症状となってあらわれます。また、ホルモンバランスの急激な変化により、理由もなくイライラしたり、憂うつになったり、不安を感じたりというような精神神経症状があらわれます。

 

このような症状は、他の病気にもあらわれる症状で、すべてを更年期障害としてしまうと、本来の病気を見落としてしまう可能性もあるため問題があります。更年期障害であるかをはっきりさせるためにも、定期的に健康診断を受けたほうがいいでしょう。

 

身体的症状

更年期に多い身体的症状は、ほてり、のぼせ、頭痛、肩こり、疲労感、倦怠感など多彩で、人によってはいつも同じ症状が出たり、いろいろな症状か重なってでるなど、個人差も大きいのが特徴です。

 

ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)

更年期障害の中でもっともポピュラーな症状で、血管運動系障害の代表です。

 

外気の温度に関係なく、昼夜問わず、突然カーッと顔が熱くなってほおが赤くなったり、からだが熱くなって汗をダラダラ流します。こうした症状が一日に何度もおきる人もいれば、1日1回程度おこるだけの人もいます。

 

自律神経には血管を収縮・拡張させる働きがありますが、更年期の女性ホルモンのバランスの乱れによって、自律神経のバランスも不安定になり、この機能がうまく働かなくなり症状があらわれます。

 

ただし、すべてが更年期障害といえず、甲状腺機能亢進症の可能性もありますので、ホルモン検査をしてほうがいいでしょう。

 

発汗

ホットフラッシュと同様、自律神経の失調によりあらわれる症状のひとつです。まわりの気温に関係なく汗がでます。ホットフラッシュとともにあらわれる人や、大量に汗だけが出る人など、さまざまです。

 

疲労感、倦怠感

女性ホルモンのバランスがくずれ、からだがだるく、疲れやすく、思うように動かないなどの症状があらわれます。一時的なものですので、更年期を休養の時期と考え、このような症状があらわれても無理をせず回復を待つことが大切です。

 

頭痛、頭重感

もともと頭痛持ちの人、PMSで頭痛がある人によくみられます。更年期障害ではなく、ほかの病気の可能性もあるので、ひどい場合は内科を受診したほうがいいでしょう。

 

動悸、息切れ

急にドキドキしたり、呼吸が苦しくなります。女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)には、血管の壁をやわらかくして血液循環を促すはたらきがありますが、更年期になりエストロゲンが不足すると、このような動悸や息切れなど循環器系の症状があらわれます。更年期障害ではなく、心臓病の可能性もありますので、内科の受診もしたほうがいいでしょう。

 

肩こり、腰痛

肩こりや腰痛は、若い女性にも多いですが、更年期になるとより強まることがあります。原因は、血液循環の悪化やエストロゲンの低下による骨の老化や減少です。ひざや関節に痛みがある場合、骨量測定をして必要な予防や治療をしたり、関節リウマチの検査を受けたほうがいいでしょう。

 

めまい、耳鳴り

更年期では、血圧が不安定になり、めまいや耳鳴りをおこすことがあります。耳鼻科でメニエール病の検査を受け、異常がないようなら婦人科で更年期障害の検査を受けましょう。

 

冷え

自律神経のバランスが乱れ、血管の拡張や収縮の機能がうまくいかず、血液循環が悪化することにより、それまでからだの冷えを感じたことがなかった人でも更年期になると手足、腰などが冷える人が増えてきます。ゆっくり入浴したり、重ね着をしてからだを温めたり、ビタミンEをとって血液の循環を促すなど工夫をしましょう。漢方薬や鍼灸治療も有効です。

 

 

 

 

 

 

 

2015年12月12日更新