美肌をつくる健康な腸

美しい肌を保つには、腸内環境をよい状態にしておくことが重要です。腸内環境は、肌のコンディションに確実に影響し、便秘をすると吹き出物がでたり肌があれることがあります。便秘は、腸内環境が悪化し悪玉菌が増えているサインで、悪臭の原因物質であるインドールやスカトールなどの刺激物質を産生し、肌を刺激しトラブルをおこしていると考えられますので、乳酸菌などをとって、腸内環境を整えることが必要です。慢性便秘で肌が乾燥した女性に、乳酸菌を摂取してもらって実験では、便秘が解消されるとともに肌のコンディションがよくなったと報告されています。

 

ドライスキンとアレルギー性の炎症がベースで引きおこされるアトピー性皮膚炎も、腸内環境を整えることで、予防、改善が期待できます。アレルギー体質の妊婦に、腸内環境を整える作用をもつ善玉菌の乳酸菌を妊娠中からとってもらい、産後は母子ともに実験に参加してもらった結果、こどもが2歳の時点でアトピー性皮膚炎の発症率がプラセボ(偽薬)群と比較して半減したという報告もあります。乳酸菌をとることで腸内の善玉菌が増え腸内環境が改善された結果、腸に備わった免疫システムのバランスが調整され、アレルギーをおこしにくくなったと考えられます。漢方医学では”お肌は内臓の鏡”といわれ、肌の調子を整えたいときは、まず腸を整えることが大切であるとされています。乳酸菌は、ヨーグルトなどの発酵食品を食べることで取ることができますが、サプリメントでより効率よくとることも可能です。

 

 

穀類で便秘を予防

米飯やシリアルなどの穀類の摂取量が少ないと、便秘をしにくくなります。また、便は食べものに含まれる消化できない残りカスからつくられるため、小腸で消化吸収できない難消化性の食物繊維を多く含む食べものをとることで便通が整えられます。日本人女性と対象とした、食事内容と便秘頻度の研究では、米飯を食べている人には便秘が少ない一方、パンあるいは菓子パンをよく食べている人は便秘しやすかったと報告されています。米飯を食べる人に便秘が少ないのは、レジスタントスターチ(難消化性デンプン)が含まれているからで、レジスタントスターチは、麦に豊富なβグルテンやこんにゃくに含まれるマンナンなどの水溶性食物繊維とほぼ同じ働きをもっている難消化成分です。

 

食物繊維というと、野菜のスジにあたるセルロースなどの不溶性食物繊維が思い浮かぶかもしれませんが、とりすぎると便が硬くなり、お腹が張って苦しくなったりします。今、注目を集めているはおなかにやさしい水溶性食物繊維で、腸内で善玉菌のえさとなって腸内環境を改善するとともに、便をやわらかくして便通をよくするほか、血糖値の上昇を防いだり、コレステロールの増加を抑制する作用もあるため、生活習慣病予防にも期待されています。米飯のレジスタントスターチは、ごはんを冷蔵庫などで冷やすと含有量が増加するので、多めに炊いて冷凍保存して食べるとより効果が期待できます。

 

善玉菌を増やすオリゴ糖

善玉菌の代表格であるビフィズス菌を増やすオリゴ糖をとることも、腸内環境の改善に効果があります。オリゴ糖は、ブドウ糖や果糖などが2~10個つながった構造をもつ少糖類のひとつです。フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラフィノースなど多くの種類があり、液状または粉末の甘味料やサプリメントとして市販されています。種類によって腸内環境改善効果がやや異なるという研究報告もありますが、基本的に善玉菌を増やす作用があります。

 

ヨーグルトで食べても乳酸菌が増えるとはいえ、外から入ってきた菌は、数日しか腸内に住まず、食べるのをやめれば元の状態に戻ります。オリゴ糖をとるメリットは、すでに腸内にある善玉菌を増やすことで、オリゴ糖により腸内で増やした善玉菌は長く腸内にとどまりますが、多量に取るとおなかがゆるくなるため、とりすぎには注意が必要です。オリゴ糖の一種のラクツロースは、こどもの便秘薬としても用いられています。

 

2015年12月16日更新