検査と診断は?

更年期障害の疑いがあるときは、専門医の診療を受け、まず血液ホルモン検査を受けます。

 

更年期障害は、卵巣機能が老化により変動している時期にみられるもので、一定の時期が過ぎて卵巣機能が完全に低下し、全身の状態がホルモンの変化に慣れてくれば、自然によくなります。一度だけの血液ホルモン検査では、女性ホルモンのエストロゲンが正常な値を示すことがありますので、更年期障害と診断されるためには、老化した卵巣を活発にしようと脳下垂体から大量に分泌される性腺刺激ホルモンの値が高いことをあわせて確認すると確実です。

 

更年期障害は、甲状腺や循環器などの内科疾患、整形外科疾患、脳神経外科疾患、耳鼻科疾患、精神科疾患などと類似した症状を示すことがあるので、複数の診療科の受診が必要になることもあります。更年期障害の治療では、自己判断で市販薬や民間療法に頼るのは他の重大な病気の発見を遅らせることもあり禁物で、正しい診断を受けることが必要です。

 

更年期障害の症状の程度は、クッパーマン更年期指数、簡略更年期指数などの質問用紙に答える方法によって、客観的に評価することもできます。

 

 

治療方法は?

更年期障害の程度は、性格、精神状態、家庭環境、社会環境などから影響を受けるため、まずは、生活習慣、生活環境の改善を図ることが基本となります。ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)、発汗などを中心とする自律神経失調症には、エストロゲン(卵胞ホルモン)によるホルモン補充療法(HRT)や自律神経調整薬などによる薬物療法が中心になります。自律神経性更年期障害は、ホルモン療法により1ヶ月程度で改善されます。比較的軽症な場合、漢方薬やサプリメントも効果が期待できます。

 

社会心理的要因により誘発された精神症状性更年期障害に対しては、向精神薬を主体にした薬物療法と精神療法が有効ですが、精神症状のかなには、女性ホルモンのエストロゲン欠乏によるものもあり、ホルモン補充療法(HRT)が有効な場合もあります。

 

平均5年以上ホルモン補充療法(HRT)を行っている女性では、行っていない女性と比較して乳がんの発症リスクが1.3~1.4倍高くなります。しかし、ホルモン補充療法を行う場合、定期的な検診とともに行われるため、ホルモン補充療法を要因とする乳がんは、比較的早期に発見され予後のよいタイプの乳がんが多く、死亡率はホルモン補充療法を行っていない場合と変わりません。

 

子宮を摘出している女性には、エストロゲン剤だけを単独で用い、子宮のある女性には子宮がん発症予防のため、エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)剤が併用されます。プロゲステロン剤を周期的に投与すると、月経に似た出血を繰り返しますが、続けて用いていると次第になくなります。また、次第に広まりつつある低用量のホルモン補充療法(HRT)では、同等の効果をあげながら不正出血の頻度は減っています。更年期障害に対するホルモン補充療法(HRT)を、定期的な子宮がん、乳がん検診とともに数年をめどに行うことは、問題はないと考えられています。

 

また、更年期障害の特徴である原因や症状があいまいな不定愁訴の症状には、副作用が少なく、からだ全体のバランスを整え、自然治癒力を高めることを目的に緩やかに体質を整えていく漢方薬やサプリメントを用いての治療も有効です。

 

2015年11月20日更新